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「干し柿の魅力」種類と品種・カビを防ぐコツ

■干し柿の魅力

干し柿は、渋柿の手段のひとつでもあるとともに、柿の加工品であり、保存食のひとつでもあります。

果実を乾燥させるドライフルーツは、水気が多く長期保存ができない果実の弱点を強化して保存性を飛躍的に増し、甘味を増し、独特の食感や
風味を醸し出す、代表的な果物の加工法です。

なかでも干し柿は、柿を加工するうえでもっとも一般的なもので、歴史的にも奈良時代の正倉院文書に干し柿を売り買いした記録が残っているように、たいへん古くから利用されてきました。

干し柿の魅力は、まずなんといってもその濃厚な甘さと風味、そして独特の歯ごたえです。

これは大きく分けて二つあります。

一つは、水菓子のように柔らかく透明感のあるジューシーな干し柿の「あんぽ柿」、もう一つは、弾力ある歯ごたえが楽しめる「ころ柿」です。





■あんぽ柿「堂上蜂屋」「平核無」「西条」など

あんぽ柿は、果実の水分をおよそ半分くらい飛ばした水気が多い干し柿です。

その柔らかさは指でつまんでちぎれるほどで、とろけるようななめらかな舌触りが、まるで高級な和菓子のような繊細な味わいを生み出しています。

この独特の肉質は、あんぽ柿用の品種の果実が持つ特徴です。

代表的な品種として、「堂上蜂屋」や「平核無」「刀根早生」「甲州百目」「三社」「西条」などがあり、どれも絶品の干し柿になります。

特に平核無は、四角く平べったい形ですが、種子がないため食べやすく歩留まりのよい干し柿ができます。




■ころ柿「市田柿」「鶴の子」「法蓮坊」など

ころ柿は、「枯露柿」「古老柿」などと書かれることがありますが、いずれもおよそ元の水分の七割くらいが飛んだ、より乾燥が進んで肉が締まった弾力のある干し柿です。

ころ柿の表面にはよく白い粉状のものが覆い、この状態を粉が吹いたともいいますが、これは柿からにじみ出てきた果糖やブドウ糖が結晶したもの
で、特に「柿霜」と呼ばれます。

柿霜のできやすさにも大きな違いがあり、「市田柿」のようにたいへん出やすい品種と、なかなか出ないものがあります。

「鶴の子」などでは、わざわざ粉を吹かせるために、干したものを板の上でゴロゴロと転がし表面を傷つけてから藁でくるむなどの工夫がされます。

大量生産用に、傷つけ専用の機械まで開発されています。

品種としては、「市田柿」「鶴の子」「法蓮坊」「新平」などがありますが、なかでも長野県原産の「市田柿」はたいへん美味しい柿で長野県では生産が奨励され、地元農協により地域ブランドにも認定されています。




■「干し柿作り」カビを防ぐコツ

干し柿作りでだれもが困っているいちばんの課題は、できあがるまでにカビが生えたり、発酵して皮だけになったりヘタからぼたりと落ちたりして食べれなくなることです。

干し柿というものは、保護作用のある表皮を剥いて、水分と糖分の多い果肉部分をさらしてしまうので、菌にはどうしても弱くなります。

そこで干し柿は晩秋から冬にかけて冷え込みが強く空気の乾燥した風通しのよいところで作られますが、昨今の温暖化の影響もあってか、カビの問題は干し柿作りのプロでもその対策に苦慮するほど大きな問題になっています。




■カビが生える前に乾かす

カビを避けるのにいちばん望ましいのは、カビが生えてくる前に果実の乾燥を完了することです。

水気の多い状態で気温が高いと菌も活発に繁殖しますが、ある程度乾燥が進んでしまえば、菌は増えることができなくなります。

最近は東北や北陸、信州など寒さの厳しい産地でも、乾燥の初めは専用の乾燥器を使ってカビが生えやすい状態をできるだけ早く終えるようにしている例もあります。




■人為的に殺菌する

次に考えられる対策は、殺菌です。
果実の殺菌方法には、古くから硫黄燻蒸という方法を用います。

これは、皮を剥いた果実を密閉した容器や室内に納め、中で粉末の硫黄を燃やして、発生する亜硫酸ガスで殺菌するものです。

亜硫酸ガスは他にも果実の色を美しく保つ作用があり、柿以外のドライフルーツでもよく利用されます。

食品表示ラベルに「二酸化硫黄」と表記されているのがそれです。

このように比較的よく利用される手段ではありますが、亜硫酸ガスは喉などの粘膜を侵す毒ガスであり、最悪の場合は命にも関わる危険なものなので、実際に行う際には確実に密閉できる容器などが必要で、燻蒸を終えた後の換気についても誤ってガスを吸ってしまわないよう細心の注意が必要です。

また、食品衛生法でもその残留基準が厳しく規定されており、最近は硫黄臭が消費者に嫌われる傾向もあるとのことで、できるだけ硫黄燻蒸を行わずに干し柿作りをという動きもあります。

また、硫黄燻蒸は、燻蒸時間が長すぎたり使う硫黄の量が多すぎたりすると、渋い干し柿ができてしまうことがあります。

硫黄燻蒸以外の殺菌方法としては、たとえば、干している間、果実に殺菌用の紫外線灯を当てたり、乾燥機の中に殺菌力の高いオゾンガスを流す例があります。

これらは、うまくいけば的確に菌の繁殖を抑制できますが、装置の設備費や維持費が高くついたり、殺菌効果が不足する場合もあり、その実用化にはまだ多くの課題があります。

もう一つ、ビタミンCを用いる方法も開発されています。

これは、皮を剥いた柿をビタミンCを溶かした液に浸けてから干すもので、硫黄燻蒸と同程度に色よく仕上がる技術とされます。
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